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【F1】角田裕毅にセナの不思議な力が舞い降りれば...レッドブル昇格に向けて勝負のサンパウロGP

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 サンパウロの空に、アイルトン・セナが駆ったマクラーレン・ホンダMP4/5Bの甲高いエンジンサウンドが響いた。

 あの悲劇からもう30年。今も変わらずこの国の英雄であり続けるセナを追悼すべく、ホンダとマクラーレンが手を携えて、1990年のチャンピオンマシンをインテルラゴスへと送り込んだ。車体はマクラーレンのスタッフが、そしてエンジンはHRC Sakuraのスタッフが現地まで帯同して、サンパウロGPの週末にその雄姿を蘇らせたのだ。

角田裕毅がアイルトン・セナの母国ブラジルを走る photo by BOOZY角田裕毅がアイルトン・セナの母国ブラジルを走る photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る RBPT(レッドブル・パワートレインズ)にパワーユニットを供給するホンダの現場オペレーションを統括する折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャーは、ホンダとセナ、そしてブラジルの絆を確かめるようにこう語った。

「HRC Sakuraからヒストリックカーをメンテナンスする専門のメンバーが現地に来て、マクラーレンのメンバーと一緒に準備をしています。昨日サーキットに来た時にちょうどパドック裏の駐車場に設けられたガレージで暖機運転をしていたんですが、やっぱりこのブラジルで我々のマクラーレン・ホンダのマシンが走るのを見るというのは感慨深いものがありますし、ホンダとしてこうしたイベントの実現に協力できたのは非常にうれしいことです」

 セナの没後25年だった2019年には、1988年に16戦15勝を達成したマクラーレン・ホンダMP4/4がこのサーキットを走った。その週末、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがレースを制し、そして2位には最終コーナーからの加速競争という劇的なフィニッシュでトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが入り、自身初の表彰台を獲得するとともに、ホンダ勢が1-2フィニッシュを飾った。どこか、セナの不思議な力を感じるような週末だった。

 今年も、そんな週末になるのだろうか。

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著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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