F1角田裕毅の来季チームメイトは「手強い相手」と中野信治。「学習する段階はもう卒業」とレベルアップに期待

中野信治 F1 2022総括と2023展望
中編「ドライバー評」（全３回）

　２年連続でチャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペン（レッドブル・レーシング）の強さはどこにあったのか。そして、王者争いに敗れたフェラーリのシャルル・ルクレールの敗因とは。

　F1ドライバーでDAZN（ダゾーン）解説者の中野信治氏が、ドライバー目線で2022年のF1を盛り上げた選手たちのドライビングやメンタル面を解説。さらに新たなパートナーを迎え、F1参戦３年目を迎える角田裕毅選手の成長と今後の可能性について語ってもらった。

2023年にF1参戦３年目を迎える角田裕毅選手　photo by Sakurai Atsuoこの記事に関連する写真を見る◆　◆　◆

【王者・フェルスタッペンだから許される「やりすぎ」】

中野信治　2022年シーズン、圧倒的な強さで２年連続チャンピオンに輝いたレッドブルのマックス・フェルスタッペン。もともと圧倒的に上手かったところに、チャンピオンを獲った余裕が加わり強さが増したという印象でしたが、戦い方に関しては基本的には変わっていません。

　オーバーテイクに関しては、正直、ちょっとやりすぎかなと感じる部分もありました。「俺がインに入ったら、お前らは退くだろう」と。言葉を選ばずに言えば、わがままな抜き方です。

　でも、そんな乱暴なドライビングができるのは、クルマとドライバーの両方の実力が圧倒的に高いから。あとは周りのドライバーたちが、フェルスタッペンの強さを認めていることも大きいですね。

　遅いドライバーが同じようなドライビングをすると、危険行為となっていたでしょう。年間15勝もするフェルスタッペンだから許されている部分がありますが、2022年に関しては、そういうところを全部ひっくるめて彼の能力がずば抜けていたという評価になると思います。