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F1角田裕毅の来季チームメイトは「手強い相手」と中野信治。「学習する段階はもう卒業」とレベルアップに期待 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【ルクレールは苦境のなか高次元の走り】

 ランキング2位に終わったフェラーリのシャルル・ルクレールは、おそらく現在のF1で唯一、フェルスタッペンと同じレベルで戦えるドライバーだと思います。

中野信治氏 photo by Murakami Shogo中野信治氏 photo by Murakami Shogoこの記事に関連する写真を見る メルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルが決して劣っているわけではありませんが、一発の速さ、走りのキレ、レース運びなどをトータルで考えると、フェルスタッペンと同じクルマに乗って互角の勝負ができる選手として真っ先に頭に浮かぶのはルクレールです。

 彼の実力は、厳密に言えば、フェルスタッペンのレベルには届いていません。だからチームメイトのカルロス・サインツJr.に時々、負けてしまうこともありますが、2022年はルクレール本来の力を発揮できる状況ではなかった。

 チームが戦略ミスを繰り返し、マシンにもトラブルが続きました。しかも周りのチームがレースを重ねるごとにマシンの速さが増すなかで、フェラーリはシーズン中の開発がうまく進まず、徐々に競争力を失っていきました。

 そんな状況下で冷静に戦うことは、ドライバーの立場でははっきり言って無理です。フェラーリのシーズン中盤以降の戦いぶりを見て、ルクレールの苦しさが手にとるようにわかりました。

 それでも最終戦のアブダビGPの走りは見事でした。すばらしいタイヤマネジメントを披露しながら、マシン性能を限界まで引き出し、ドライバーズランキングを競うセルジオ・ペレスの前の2位でゴール。最終的にフェルスタッペンに続くドライバーズランキング2位でシーズンを終えました。アブダビGPのドライビングは、サインツJr.にはできない次元の走りだと感じました。

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