フェルスタッペン、母国GPで王者の風格。ハミルトンの揺さぶりも動じぬ強さ (4ページ目)
オランダGPの角田裕毅はリタイアに終わったこの記事に関連する写真を見る バリアに突っ込むたびに自信を失って、次のレースではゼロから再スタートということの繰り返しでした。今の優先事項は『1周ごと』です。今回はそれがうまくいったので、今後もこのアプローチを続けて安定したパフォーマンスを発揮できるようにしたいと思います」
予選では赤旗でアタックができず15位に終わったものの、手応えはあった。僚友ピエール・ガスリーとの差はまだ大きかったが、それに対して焦りを感じるのではなく、学んで成長する余地なのだと考えられれば、その先には焦りからのオーバードライブではなく前進が待っているはずだ。
決勝は抜けないサーキットだけになかなか浮上のきっかけが掴めず、前半はタイヤを労ってこれからペースを上げていこうとした。しかしその矢先、パワーユニットにトラブルが発生してリタイアを余儀なくされてしまった。
ただ、結果にはつながらなかったものの、角田は手応えを掴んだようだ。
「オーバーテイクをするのは難しかったですが、ペースは速かったですし、問題が起きたのはちょうど前のクルマに追い着くためにもう少しプッシュし、ペースを上げ始めたところだったんです。タイヤのライフはかなりうまく保たせることができていただけに残念です」
僚友ピエール・ガスリーは、予選で2強チームに次ぐ4位。そして決勝でも、フェルスタッペン顔負けのドライビングでフェラーリ勢をしっかりと速さと戦略で抑え込み、4位フィニッシュを果たした。
大歓声のザントフォールトで見せつけられたフェルスタッペンやハミルトン、ガスリーの妙技と、今の自分(角田)との差を冷静に受け止め、どう一歩ずつ縮めていくか。
新たなアプローチを採ることによって、自分が進むべき道程が見えたのかもしれない。それならば、これまでのような三歩進んで二歩下がるような歩みではなく、着実に前へ前へと進んでいるかもしれない。今シーズンに残された時間はもう決して長くないだけに、これ以上の失敗は許されないだろう。
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