「老害」と「若害」の狭間で悩まされるオジさんゴルファーの嘆き【木村和久連載】 (3ページ目)
(3)ボールがフェアウェーに飛んでくる
初心者が多いと、打ったボールがあちらこちらに散らばって、隣のホールまで飛んでいくこともしばしば。そこで問題になるのは、隣のホールにボールが行ってもセーフだった場合です。
OBやワンペナならボールを拾って、ペナルティーを課して自分ホールに戻って打ち直せばいい話。でも、セーフの場合はその現場から打ち直さなければなりません。
まあ、うまい人ならいいですよ。けど、今しがたミスショットをしてボールを曲げたばっかりの人でしょ。そんな人間が林越えなんか、リカバリーできるのでしょうか?
しかも、頭も心もテンパっている――さてこの問題、どう解決すべきでしょうか。そこは、ワンペナ扱いにしてボールを回収するのが一番懸命な方法です。
こういったことは、ゴルフ雑誌には書いていません。だって、ルールが絶対ですから。
でも現実的な対応を見ると、半数以上の初心者がリカバリーショットを打たずにボールを回収しています。それで、いいと思います。
知らないオヤジに睨まれながらリカバリーショットを試みても、ほとんど失敗します。そして、だんだんゴルフが嫌いになってしまうんですよ。それは、寂しいことです。
要するに私が言いたいのは、ゴルフはレジャー的要素の強いスポーツですから、もっと楽しくやればいいと思うんですけどね。こういうことを書くと、インチキだとか、ズルだとか文句を言う人がいますけど、初心者は周りに迷惑をかけなければ、さほど厳密にやる必要はないと思いますよ。
(4)真面目にパットをやる
真面目にパットをやるのは大事ですが、これも周りの進行を見ないと、です。初心者のパーティーは平均スコアがダボ以上になりがち。そうなると、打数が増えてプレースピードが遅くなってしまいます。さらにそこで、短いパットを外して微妙な距離が残ると、どんどん進行が遅れてしまいます。
そういう時は、オーケーを甘くして進行を早め、態勢を立て直すのも大事です。
ゴルフって、上級者にとっては打数が少なく、打つ場所も常に平らでラクに感じます。片や初心者は、いつも変な場所から打たされて、打数も増えて疲れるばかり。上級者と初心者との差が激しいスポーツだと思います。
もうこの際、初心者ルールというのを作って、そのなかで楽しくやってもらう。そういう仕組み作りは大事だと思いますよ。そうすれば、"若害"と呼ばれるゴルファーも少しは減るんじゃないでしょうか。
木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。
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