マスターズを「ヒール」として優勝。
P・リードの未来は変わるのか (2ページ目)
おそらく、見る側にはどちらの感情もあったに違いない。ゆえに、リードが勝った瞬間、例年とは違う空気に包まれたのだろう。
ただそれ以上に、どうやら米ツアーにおいて、リードの存在は"ヒール(悪役)"的な位置づけにあったようだ。最終日の観客の声色から、それが容易に想像できた。
マスターズの最終日、午後2時40分。ようやく最終組のスタート時間になった。
1番ティーに登場したリードは拍手で迎えられた。続いて、リードを3打差で追いかけるマキロイが姿を現すと、リード以上の拍手で迎えられ、大きな歓声が飛んだ。
英国人ながら、そもそも人気のあるマキロイ。今大会においては、4大メジャーのすべてを制する"生涯グランドスラム"がかかっていることもあるが、2011年大会では4打差リードで最終日を迎えながら、「80」を叩いて大崩れした苦い経験を持つ。そんなマキロイに、「今度こそ勝利を」とパトロンが感情移入するのは当然のことかもしれない。
リードもこう振り返っている。
「ロリーは"生涯グランドスラム"がかかっているから、ファンがロリーに勝ってほしいと思うのは当然だと思う。だから、(ファンの歓声が自分より大きくても)僕は何も気にならなかった」
試合はふたりの一騎打ちが予想されたが、マキロイは出だしの2番パー5で、わずか1.2mのイーグルパットを右に外した。結果的に、これが敗因となった。それからマキロイはズルズルと崩れて、優勝争いから脱落してしまった。
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