【木村和久連載】テキトーに楽しもう!「アメリカンゴルフ」のススメ (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 でも、お手伝いしないと、あとで必ず「あいつは、ボール探しも手伝わない。薄情な男だ」と言われかねません。しかも、ボールをなくす人って、年上のあまりうまくない人と相場が決まっています。ボールがなくなる人は、セミラフ程度でもなくします。

「だいたい、どこら辺にボールが落ちたんですか?」と聞くと、「そこの木の辺り」と言うけど、ボールは全然違うところにあることが多いです。

 結局、ボールをなくす人は、自分の打ったボールを見ていないか、たとえ見ていても"自分を過大評価して、すごく飛んだ気になっている"んですよね。だから、予想した場所にボールがないのです。

 これがアメリカのゴルフ、特にグアムなどのリゾート地では、実に優雅な"アメリカンゴルフ"を実践していて、それには驚きを隠せません。

 まず、ボールを見失っても、ほとんどボールを探しません。探すとしても、ほんの数秒です。

「あれまあ、ほんと諦めが早いことで」と思うのですが、その人がボールをなくしたと思しきラフを覗いてみると、びっくり仰天です。なんと、ボールがいくつも落ちているのです。

 つまり、ボール探しをしたところで、ラフには他のロストボールがいっぱい。自らのボールがカモフラージュされてしまっているのですから、そこから探し出すのはさすがに難しいです。

 そのため、通常は数秒ボールを探すフリをして、ロストボールをラフから1個拾って、フェアウェーからノーペナで打ち直します。ほとんどの方がそんなふうにプレーしていましたね。

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