嵐のマスターズ初日。松山英樹のリズムを狂わせた「52度での1打」

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 松山英樹(25歳)、6度目のマスターズ挑戦。その初日は、7番ホールでダブルボギーを喫するなどして、前半「39」、後半「37」、トータル「76」の4オーバーと崩れた。

マスターズ初日、4オーバーと出遅れた松山英樹マスターズ初日、4オーバーと出遅れた松山英樹「納得できない。(風は)昨年も吹いていた。それは仕方がないこと。その中でうまくプレーできなかった」とラウンド後、松山は憮然とした表情で語った。いや、自分自身に憤懣(まん)やるかたないといった感じだった。

 誰にこの気持ちをぶつければいいのか。いや、自分の中でしかこの気持ちは処理できない、ということは承知していた。

 松山は今や、地元の新聞でも、全米のテレビやその他のメディアでも、「すでにグリーンジャケットをオーダーメイドできる選手」と、優勝候補の中に選ばれている立場なのである。だから、余計にイライラが募る。

 こんなはずがない。どこで歯車が狂ってしまったのだろう。すべての準備を整えてやってきた。調子はベストではないけれど、決して悪くない――そうした気持ちが、松山の脳裏を横切っていたのだろう。

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