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大爆発のチャンスはあったが、
松山英樹が勢いに乗り切れなかったわけ

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 残り36ホールで首位との差が6打差――松山英樹は、まさに奈落から這い上がろうとしている。

スコアを伸ばしたものの、波に乗り切れなかった松山英樹スコアを伸ばしたものの、波に乗り切れなかった松山英樹 注目のマスターズ初日、松山は4オーバーと大きく出遅れ、まさかの予選落ちもあるのかとファンをドキドキさせた。しかし2日目、スコアを作りにくい状況の中でも、薄紙を丁寧に、根気強く重ねるようなプレーを見せて、この日は2アンダー。通算2オーバー、16位タイまで浮上して難なく予選通過を果たした。

「まあ、いいプレーができれば(予選は)通ると思ったし、悪かったら通らないので、そこ(予選通過ライン)は考えていなかった」

 確かに松山のプレーを見ていると、予選通過という視野はまったくなく、その不安すら感じさせなかった。今のゴルフの力量は、そこを意識するレベルではないからだ。

 松山本人は口にしなかったけれども、おそらくこの日の目標は4アンダー。通算イーブンパーまで戻すことだったと思う。そのラインから、うまくいけば「66」で回って、通算2アンダーという理想があったと思うのだ。

 その可能性はあったが、3番、5番ホールとバーディーを奪って、"さあ、これから"という7番ホール(パー4)で、初日と同じくダブルボギー。ここで一瞬、ブレーキがかかってしまった。

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