嵐のマスターズ初日。松山英樹のリズムを狂わせた「52度での1打」 (3ページ目)

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 松山のリズムを狂わせたのは、7番ホール。450ヤードのパー4だった。

 ティーショットを左へ。そこからグリーンを狙うが、その第2打が大きくグリーンオーバーしてしまう。結果、グリーン周りをずらりとバンカーが囲んでいることで有名なこのホールで、ダブルボギーを叩いてしまった。

 このダブルボギー、(グリーンオーバーした)2打目が悔やまれるのか、それとも(木に当てて手前のグリーンエッジまで転がった)3打目が悔やまれるのか? という記者の質問に、松山は「2打目です。52度(のウェッジ)で打った1打です」と言葉少なく言い切った。

 後半に入っても、リズムは戻らない。ドライバーショットが乱れていた。

 フェアウェーキープ率が、64.29%で全体の44位。それでも、いつもなら得意のパッティングでカバーしていたものの、この日はそれもままならなかった。

 なんと平均パット数は、1.94と最下位のひとつ上。つまりブービーである。これではスコアは作れない。

 入らない。これほど入らないことも滅多にない。でも、その最悪な日を、大切なマスターズの初日に迎えてしまったのだ。

「(上位との差は)大きいですけど、いいプレーができれば、まだチャンスはあると思う。できなかったら......」と言って、松山の言葉が止まった。

 松山が底力を見せるのはこれからだ。2日目、どう立て直してくるのか、興味深い。


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