全英の「決闘」を制したステンソン。次なる狙いはリオの金メダル
全英オープンの長い歴史の中で、「デュアル・イン・ザ・サン(白昼の決闘)」と呼ばれる戦いがある。
ターンベリー(スコットランド)で開催された1977年大会、3日目を終えてジャック・ニクラウスとトム・ワトソンが、後続を大きく引き離して同スコアでトップに立った。迎えた最終日、ふたりの一騎打ちは、ワトソンが「65」、ニクラウスが「66」で回り、ワトソンが1打差で勝利した。その壮絶かつ白熱した戦いを称して、そう呼ばれた。
そのターンベリーから、わずか30kmというロイヤル・トゥルーンで開催された今年の全英オープンも、凄まじい戦いが繰り広げられた。ヘンリク・ステンソン(40歳/スウェーデン)とフィル・ミケルソン(46歳/アメリカ)が、難コースに苦しむ他の選手たちを尻目に別次元のバーディー合戦を披露。ふたりの攻防によって目まぐるしくリーダーが入れ替わり、一瞬たりとも目が離せない展開となった。
そして最終的には、ミケルソンがボギーなしの「65」という好スコアでフィニッシュしたものの、それを上回る「63」をマークしたステンソンがミケルソンに3打差をつけ、ついにメジャー初勝利を挙げた。
全英オープンでミケルソンとの激戦を制して、見事な優勝を飾ったステンソン「私たちの1977年の戦いは素晴らしいマッチだった。しかし、ヘンリク(ステンソン)とフィル(ミケルソン)の戦いはもっと素晴らしかった」
試合後、そう感嘆のコメントを発したのは、1977年の"デュアル・イン・ザ・サン"の当事者であるニクラウスだ。
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