トップ選手が続々辞退。ゴルフは五輪競技として残っていけるのか (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by Getty Images

 続けて、ボトゥ副会長がテニス界の事例を挙げ、「ゴルフが五輪で定着するには少し時間が必要だ」という話をした。

 テニスが五輪競技に復活したのは、1988年のソウル五輪。当時、トッププロとして活躍していたジョン・マッケンロー(アメリカ)は出場を辞退し、五輪開催中に行なわれていた別のイベントでプレーした。ところが、8年後のアトランタ五輪ではアンドレ・アガシ(アメリカ)が金メダルを獲得し、以降もラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)など、その時代のトッププレーヤーが五輪で活躍。それらの姿を見て、マッケンローは「五輪を辞退したことは間違いだった」と後悔していたという。

 そんなテニス界同様、ゴルフ界でも五輪の地位が向上していく可能性は十分にある。

 ただ問題は、2017年に「今後、ゴルフを五輪競技として継続するか」が、国際五輪委員会(IOC)で協議されることだ。2020年東京五輪でのゴルフ競技開催は確定しているが、その次の2024年大会での開催は未定である。

 その点について、ドーソン会長はこう語った。

「(IOCで)論点となるのは、ゴルフが五輪競技として、どれだけ世界中から注目されたか、である。すなわち、テレビ視聴率や報道の大きさが重視される。ゴルフ小国の選手が活躍すれば、(その選手の)母国では大きな注目が集まるだろう」

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