トップ選手が続々辞退。ゴルフは五輪競技として残っていけるのか (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by Getty Images

 そんな疑問が次々に沸いてきたが、全英オープンの会場で行なわれたIGFのピーター・ドーソン会長(前R&Aチェアマン)、タイ・ボトゥ副会長(元アメリカLPGAコミッショナー)の会見を聞いて、そうした疑問も少しだけ薄らいだ。

リオ五輪を前にして会見を行なった国際ゴルフ連盟のピーター・ドーソン会長リオ五輪を前にして会見を行なった国際ゴルフ連盟のピーター・ドーソン会長 そもそも112年ぶりにゴルフが五輪競技として復活した理由は、ゴルフを世界中でさらに普及・発展させていくことが目的。それは今から15年前、ゴルフがあまり盛んではない某国に訪れたドーソン会長が、その国のゴルフ関係者に言われたひと言に端を発しているという。

「もしゴルフが五輪種目だったら、わが国ではもっと多くの人がゴルフに興味を持って、ゴルフが盛んになるに違いない」

 つまり、五輪競技になれば多くの国で、ゴルフ界への国からの支援が増して、ジュニアの育成も可能となり、ひいては未来のゴルフ人口の増加へと道が開けるというわけだ。この言葉が脳裏に深く刻まれたドーソン会長は、そこから一途に五輪でのゴルフ競技復活を目指し、ようやく今日を迎えた。

 そして彼は、本番を前にして五輪への期待をこう述べた。

「正直に言うと、世界のトップ選手たちが出場を辞退することはとても残念でならない。しかしそのほとんどは、アメリカ、オーストラリア、南アフリカ、アイルランドといった"ゴルフ大国"の選手たちだ。(最終的には)男子34カ国、女子34カ国、合計40カ国の選手が出場するのだから、素晴らしい大会になるのは間違いない。五輪は、ゴルフの小国において、ゴルフが発展する最も大きな機会になる」

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