【ゴルフ】「1mのパットが入らない」金田久美子が再起できたワケ
9月18日、マンシングウェアレディース東海クラシック(9月18日~20/愛知県)のファーストラウンド。知多半島を長靴に例えるなら、踵(かかと)あたりに位置する新南愛知カントリークラブには、赤トンボの群れが舞い、晩夏から秋へ、季節の変わり目であることを告げていた。
今季の女子ツアーも、はや残り11試合。シーズン終盤戦に突入し、賞金女王の行方などに話題が及び始める頃、8月のCAT Ladies(8月21日~23日/神奈川県)2位タイでシード復活を確定的としたゴルファーのことなど、多くのギャラリーは気にも留めない。それでも、金田久美子の復活劇の裏には、何らかの進化や成長があるはずだ――。
シード落ちを喫した昨季の低迷から、見事に這い上がってきた金田久美子。「パットやろうね」
3歳のときに初めて娘にゴルフクラブを握らせ、その後、指導を続けた父・弘吉氏はそう言うと、8番ホールのグリーンに視線を送った。すらっと背の高い、ヒョウ柄のショートパンツを履いたプレーヤーのパットがカップに入り、カランと秋晴れの空に乾いた音が響いた。
金田は昨年、賞金ランク58位に終わり、3年間保持してきたシード権を喪失。初日を終え、クラブハウスに戻った金田に昨季の不調の原因を聞くと、「パットの不調です」と語り始めた。
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