【ゴルフ】「1mのパットが入らない」金田久美子が再起できたワケ (2ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

「人生が終わったと思った(笑)。もう1mのパットも入らない。ピンそばに限りなく寄せないとバーディーが取れないんで、寄せなきゃ、寄せなきゃって気持ちが焦りにつながって、ショットも悪くなる悪循環で......。今季はパットの打ち方を変えたんです。ヒジの曲げを大きくし、スタンスを広げて、よりスタンダードに近づけました。ストロークの練習は毎日やってます。今シーズンも前半戦はパットがよくなかったんですけど、6月くらいから少しずつよくなってきて」

 そして、彼女は、もうひとつ変えたことがあると教えてくれた。

「目標を下げたんです。去年までは、出る大会は全部優勝しようと思ってました。でも、足もとを見つめ直したというか。今の実力は、そこまでじゃない。今は優勝が目標じゃダメだ。目の前の目標をひとつずつクリアしていこう。『まずは、シード権を取ること』って目標を変えたんです」

 シード権をほぼ確定させ、「何か自分へのご褒美は?」と聞くと、「特に何も」と素っ気ない返事が返ってくる。

「自分へのご褒美を買っていいほど、全然、稼いでないんで。なんか以前より、考え方がマジメになりましたね。今は生活の中でゴルフが最優先。プロなら当たり前なんですけどね(笑)。少しは大人になったのかな。私、変わったんです」

 彼女は自身のことを「変わった」と言う。だが、「何も変わらない」という人物もいた。

 セカンドラウンド、金田のプレーを見つめる服装が少し派手目な集団がいた。彼女たちは、金田の地元の友だちだった。

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