【男子ゴルフ】全米オープン
石川遼の涙の裏でタイガーが見せた「世界の凄み」 (2ページ目)
自信に満ちあふれたプレイぶりは、同組のリッキー・ファウラー(初日2オーバー)やダスティン・ジョンソン(初日5オーバー)よりも強いオーラを放っていると感じた。ホールアウト後、海外メディアからのインタビューを受け、通訳を介さず答える石川の姿にも、今までにない頼もしさを覚えた。
石川本人も納得の表情で、初日のラウンドをこう振り返った。
「1年前、2年前に、このコースを回っていたら、どうなっていたのかなというのはあるんですけど、今年の自分には、こういうゴルフができるんだな、と思いました」
しかし迎えた2日目、スタートから3連続ボギーとすると、8番パー3のティーショットを大きく左に曲げてしまいダブルボギー。この日、8つもスコアを落として、カットラインにわずか1打及ばず、屈辱の予選落ち。ホールアウト後、解説の青木功プロに肩を抱かれた石川の目には、うっすらと光るものが浮かんでいた。
3大会連続の決勝ラウンド進出はならなかったものの、今大会の解説を担当する羽川豊プロは、石川の健闘を称え、その成長を認める。
「技術も経験も、やることはすべてやってきている。あとは、自分の実力を信じ、いろいろと考え過ぎずにプレイできれば、必ず結果は出ると思う」
日本が生んだ若き才能が、アメリカという異国の地で猛者たちに立ち向かい、成長の度合いを高めながら、世界という無限の空間で覚醒する日は近いと実感した。
絶妙なバンカーショットでピンチをしのぐなど、粘り強いゴルフで首位タイに立ったタイガー・ウッズ。 一方、メジャー15勝目を目指すタイガー・ウッズが、首位タイで決勝ラウンドへ進出。完全復活を印象づける世界レベルのゴルフを見せつけた。
初日、3つのバーディーを奪ってトータル1アンダー2位タイと好位置につけ、迎えた2日目。3番パー3で、ティーショットをピン横にピタリとつけるスーパーショットでバーディーを先行させたものの、5番、6番で連続ボギーを叩くと、7番でも3パットして3連続ボギーとした。
よみがえるのは、今年4月のマスターズ。自らのミスに怒り、平常心を失った結果、プロ転向後のマスターズで、自己ワースト順位(40位)に終わる屈辱を味わった。再び同じ過ちを繰り返してしまうのか......。
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