高丘陽平が間近で感じたMLSスター選手たちのプレー 「メッシにしか見えない風景」がある
高丘陽平、MLSを語る(中編)
2025年シーズン、高丘陽平(バンクーバー・ホワイトキャップス)はMLS(メジャーリーグサッカー)のファイナリストになっている。
ハイライトは世界最高選手リオネル・メッシを筆頭にジョルディ・アルバ、セルヒオ・ブスケツ、ロドリゴ・デ・パウル、ルイス・スアレスなど、代表やクラブで世界王者になったスーパースターを擁したインテル・マイアミとの決勝戦だろう。試合は結局、3-1と惜しくも敗れたが、互角以上に渡り合っている。
メッシの特別な輝きを感じる試合でもあった。1-1で迎えた後半、自陣でややもたついたバンクーバーの選手の隙を見逃さず、メッシがボールを奪い返すと、デ・パウルへのスルーパスから得点。さらにメッシはアルバからのサイドチェンジを胸で受けると、ボールの落ち際を左足で裏に出し、アルゼンチンFWタデオ・アジェンデがゴールネットを揺らした。
「メッシにしか見えない風景があって、自分も感じようとしたんですが......」
高丘はそう振り返るが、特別な一戦だった。
昨年12月、バンクーバー・ホワイトキャップスのGKとしてMLSカップ決勝を戦った高丘陽平 photo by AP/AFLO――インテル・マイアミにはCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)チャンピオンズカップ準決勝で勝利していたし、メッシが相手でも勝ち筋があって挑んだはずですが......。
「そうですね。相手のやり方はわかっているなか、どこが弱いかもわかっていました。ボールを持ったメッシは危険だけど、付け入る隙はあって、自分たちがボールを持つ戦略で、運んで決めきるまで準備していましたが......」
――インテル・マイアミは老練な選手が多く、勝負強かったです。
「自分たちが"決勝の戦いができなかった"ですね。今まで続けてきたサッカーは大事でしたけど、プラス、サッカーじゃない部分というか......。マイアミと比べると、勝負の際での甘さなのか」
――いわゆる「世界」を感じましたか?
「同じ舞台でプレーしているなか、"こいつらが世界だ"とは感じなかったです。メッシがボールを持ったらチャンスにつながったし、その凄さは感じましたけど」
1 / 4
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

