来年のワールドカップをスペインがボイコット? イスラエル問題で極度に緊張感高まる欧州予選
10月9日から11日にかけてヨーロッパの各地でワールドカップの予選が行なわれる。ノルウェー対イスラエルもそのひとつ。ノルウェーはこの試合に勝てば本大会の出場権を獲得する。だがいま、世界が注視しているのはその試合の結果ではない――。
先日、ニューヨークで開かれていた国連総会。その会議場につながる廊下では、集まった各国の指導者たちがサッカーの話をしていた。そう書くと牧歌的に感じるかもしれないが、実はそうではない。どこのチームが好きか、どこが勝つか、そんな平和な話ならばよかったのだが、その内容は極めてきな臭い。
アメリカのドナルド・トランプ大統領や欧州各国の首脳たちは、地球上で最も人気のあるサッカーの歴史のなかでも例を見ない事態について話し合っている。焦点はイスラエルの処遇だ。
「FIFA(国際サッカー連盟)を説得してイスラエルを処罰させろ」と求める国もあれば、逆に、アルゼンチン、パラグアイ、セルビア、ドイツ、イギリス、ハンガリーといった国々は「いかなる処罰にも反対する」とイスラエルを擁護する。
今、国連の舞台で、サッカーは戦争や平和と並ぶ外交テーマになっているのだ。
ハンガリーで行なわれたワールドカップ予選イスラエル対イタリア戦。試合前にイタリアのファンが開催への抗議を行なった photo by Reuters/AFLO イスラエルを欧州のすべての大会から排除するか否か。それを審議するため、UEFA(欧州サッカー連盟)はここ数日中に執行委員会を開く予定だ。AP通信によれば、そこでイスラエルの処遇を決める投票が行なわれるという。委員会には各国政府、各国サッカー協会など、あらゆる方面から圧力がかかるだろう。彼らはイスラエルへの処罰を強く求めている。
最初にイスラエルの排除を要求したのはノルウェーだったが、それに多くの欧州諸国も続いた。なかでもスペインとアイルランドは最も強硬で、サッカーの枠を超え、EUとイスラエルの各種の協定の停止まで提案している。つまり、あらゆるレベルでのイスラエルのボイコットだ。
この動きは欧州以外でも起こっており、カタールは、数週間前からイスラエルを世界のサッカーの舞台から追放するよう水面下で活動している。ここにきて国連人権委員会の専門家グループがイスラエルをガザでの戦争犯罪で非難する報告を出したことで、さらにイスラエル排除の動きは加速している。
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