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【欧州サッカー】ドログバを奮い立たせたモウリーニョのひと言「チェルシーなら22人のキングの頂点に立てる」

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第33回】ディディエ・ドログバ(コートジボワール)

 サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。

 第33回は、チェルシーが世界有数のクラブに上り詰める時期に、数多のゴールを決めて勝利に貢献したディディエ・ドログバを取り上げたい。この長身コートジボワール人ストライカーは、ジョゼ・モウリーニョ体制に欠かせぬ存在だった。すべてが規格外──そう断言できる。

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ディディエ・ドログバ/1978年3月11日生まれ、コートジボワール・アビジャン出身 photo by AFLOディディエ・ドログバ/1978年3月11日生まれ、コートジボワール・アビジャン出身 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 空中戦を装った意図的なプレーなのか、あるいは不可抗力なのか。バレンシアのCBロベルト・アジャラは、強烈な頭突きを長身FWの後頭部にお見舞いした。

 2004年5月のUEFAカップ決勝、バレンシア対マルセイユ戦のワンシーンである。試合開始早々の一撃で、177cmのセンターバックは189cmのFWを見下ろした。

 筆者はこの一戦を現地ヨーテボリ(スウェーデン)から解説したが、長身のアタッカーはアジャラとのマッチアップを嫌がっていた。オフ・ザ・ボールではサイドに位置し、アジャラと距離を置いている。マルセイユが0-2で敗れたのは、ストライカーの戦意喪失が大きな要因だった。

 ディディエ・ドログバの第一印象は芳しくなかった。決勝終了後、スペインのメディアは「長身で青いスパイクシューズを履いているだけの見かけ倒し」と辛辣で、フランスからも「臆病者」という厳しい声が聞こえてきた。

 したがって、チェルシーがドログバを獲得した時、イングランドのメディアも手厳しい。

「2003‐04シーズンのマルセイユで19ゴールを記録したとはいえ、プレミアリーグのDFには通じないのではないだろうか」

「冬の市場で新たなFWを獲得するしかない」

「3600万ユーロ(当時約47億円)もの移籍金を支払うなんてバカげている」

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フットボール・ヒーローズ

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

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