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久保建英にレアル・ソシエダ残留の可能性 新監督の構想と「売れない」事情 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【久保の移籍にはネックが......】

 次に、ポストプレーができる大柄で得点力のあるセンターフォワードは欠かせない。理想は、かつて在籍したスウェーデン代表アレクサンデル・イサク、ノルウェー代表アレクサンダー・セルロートか。北欧系のストライカーと相性がいいだけに、アイスランド代表オーリ・オスカールソンを獲得したが、将来性は感じられるものの昨季は3得点と不発で、ポストプレーも未熟だ。

 もうひとり、活動量が多く、プレー強度も高く、なおかつゴール前に入れるMFも求めている。一昨シーズンまで在籍していたミケル・メリーノがモデルだろう。ただ、メリーノは移籍したアーセナルで偽9番として頭角を現し、スペイン代表でも貴重な得点源になっているように、なかなか替えの利かないレベルのMFと言える。

 一方、スペイン代表マルティン・スビメンディの移籍が確実視されている。行く先は、ほぼ合意が伝えられたアーセナルか、猛烈な巻き返しを見せるレアル・マドリードか。6000万ユーロ(約100億円)近い移籍金になるはずで、それは補強資金となる。スビメンディのポジションは、エスパニョールにレンタルしていたウルコ・ゴンサレスを戻すのではないか。

 そして久保も、2029年6月末まで契約が残っているが、移籍先候補はいくつも報道されている。興味を持つクラブがあるのは間違いない。アーセナル、リバプール、パリ・サンジェルマン、バイエルン、バルサなどはプレースタイルを含め、符合性もある。ただ、現時点でそれぞれブカヨ・サカ、モハメド・サラー、ウスマン・デンベレ、マイケル・オリーセ、ラミン・ヤマルと、ポジションの重なる有力アタッカーを擁している。控え要員では、移籍金6000万ユーロはネックだ。

「移籍違約金6000万ユーロ満額でない限り、放出はない」

 それがラ・レアルの基本姿勢だろう。

 だとすれば、中東のオイルマネークラブは別にして、欧州では相当な有力クラブ以外は手が出しにくい。さらに言えば、久保のプレースタイルを考えれば、ビッグクラブならどこでもいいというわけではない。たとえばイタリア、セリエAのように守備やフィジカルが求められるリーグは向かないだろう。また、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーのように組織が不安定な状況のクラブはリスクが高い。

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