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久保建英の移籍の噂に何ひとつ真実はなかったとスペイン人記者「現時点では今夏もその可能性はない」 (3ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【特に必要なのは目に見えるゴール】

 チームメイトの決定力が大幅に低下している状況にもかかわらず、アシストが少ないと久保を責めることに何の意味があるだろうか。どちらかと言えば、彼の果たすべき責務はゴールを決めることだろう。

 イマノル・アルグアシル監督は彼に常々それを要求してきた。個人的なスタッツを向上させることで、チーム全体のスタッツを改善できるという事実を伝え、彼のモチベーションを高めてきたのだ。

 結局のところ、久保のようなスターと見なされる選手は、数字によって評価され、それが多かれ少なかれ注目されることになる。だから彼が今季をすばらしいものにするため、特に必要なのは目に見えるゴール、そしてアシストの数字を伸ばすことだ。もしそれができればオファーが殺到し、クラブは引き止めるのが困難になるだろう。

 私の主張を最もよく反映している試合は、ラ・レアルが1-2で敗れたパンプローナでのラ・リーガ第22節オサスナ戦だ。久保は積極的にボールを要求し、決定機を作り、ゴールチャンスもあった。

 最終的に数字はつかなかったが、それはトライしなかったからではない。再び攻撃の主軸となっていた。しかし、久保はプレーの判断を下さなければならない場面で明晰さを欠き、フィニッシュワークを務める選手たちもその役目を果たせなかった。

 久保にはまだ戦う場として、ラ・リーガも国王杯もヨーロッパリーグも残されている。チームメイトを鼓舞し、チームとともに向上することこそが、久保自身が輝くための近道となる。

(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)

著者プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

【画像】久保建英のレアル・ソシエダほか 欧州サッカー今季注目16クラブの主要フォーメーション

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