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マンCの絶対的守護神エデルソンからポジション奪取 32歳のオルテガが名将ペップに重宝されるワケ

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【新連載】
南雄太「元日本代表GKが見た一流GKのすごさ」
第3回:シュテファン・オルテガ(ドイツ)

 ペップ・グアルディオラ監督の下、プレミアリーグ史上初の4連覇を成し遂げたマンチェスター・シティだが、今シーズンは秋口から予想外の大不振。年明けからは復調しつつあるものの、現状はプレミア5連覇に黄色信号が灯った状態にある。

 とりわけ、昨年11月は公式戦5試合で1分4敗。そんななか、グアルディオラ監督は第13節のリヴァプール戦(2024年12月1日)で正GKエデルソンに代えて、それまでセカンドGKとされていたシュテファン・オルテガ(ドイツ)を先発に抜擢した。

 以降、これまで不動と見られていた王者マンチェスター・シティ正GKの座は、オルテガの好パフォーマンスもあり、混沌とした状態にある。

 2022年の夏に加入して以来、これまでは主にカップ戦要員に甘んじていたオルテガとは、いったいどんなGKなのか。

 現在横浜FCフットボールアカデミーサッカースクールのGKクラスのコーチを務め、流通経済大学付属柏高等学校のGKコーチとしても活躍する南雄太氏に、あらためてオルテガの特徴やテクニックについて聞いてみると、開口一番、次のように話してくれた。

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マンCの正GKの座をつかみ取ったシュテファン・オルテガ photo by Getty ImagesマンCの正GKの座をつかみ取ったシュテファン・オルテガ photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る「技術面の話をする前に強調しておきたいのが、オルテガのメンタルの部分です。

 かつて彼は、アルミニア・ビーレフェルトや1860ミュンヘンでキャリアを積み、主に2部リーグで活躍していたGKでした。その実力が認められ、一時はレバークーゼンから引き抜きのオファーもあったそうですが、ビーレフェルトの1部昇格に貢献したいという思いが勝って残留を決断し、しかもその目標を果たしたところが、とても興味深い点です。

 同時に、そんな彼のメンタルと実力を見抜き、エデルソンの控えとして獲得したマンチェスター・シティもさすがだと感じます。

 シティのようなビッグクラブとはいえ、これだけの実力者がベンチに座り続けると、本人はストレスや焦りによってメンタルが乱れがちです。しかし、オルテガは決して腐ることなく、常に最善の準備をしてくれる。それをわかっていたからこそ、シティはオルテガを獲得したのだと思います」

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著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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