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マンCの絶対的守護神エデルソンからポジション奪取 32歳のオルテガが名将ペップに重宝されるワケ (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【32歳ながら伸びしろも十分にあり】

 たしかにオルテガのシュートブロックのシーンをよく見てみると、独特の型を再確認することができる。ストライカーにとっては、あの型を見せられると決定機において大きなプレッシャーを感じるに違いない。

 そんなシュートブロックを称賛した南氏だったが、その一方で、オルテガが抱える課題についても指摘してくれた。

「逆に、オルテガがゴールを決められたシーンを分析してみると、ひとつの課題が見えてきました。それは、自分の得意とする型を崩されてしまうと、意外ともろさを露呈してしまうということです。

 出場機会を増やすなか、対戦相手のFWがオルテガの型を分析しているのか、その型を作られる前にシュートしたり、タイミングを外すようにシュートしたりするようになっていて、それによって彼がゴールを決められるケースが多くなっています。

 実際にそれぞれのFWが分析してそうしているのか、感覚的なところで対応しているのかは聞いてみないとわかりませんが、最近は型を破られるシーンが目立っていることは明らかだと思います。

 これまで紹介したマヌエル・ノイアー(第1回)ティボ・クルトワ(第2回)のような、世界のトップ・オブ・トップのGKは型のバリエーションが豊富であることを考えると、そこがオルテガの今後の課題と言えるのかもしれません。

 とはいえ、これはかなりハイレベルな話で、現状でもオルテガが屈指のGKであることは間違いありません」

 相手に自分の型を見破られつつあるオルテガにとって、現在は成長のための絶好のチャンスだと南氏は語る。32歳のオルテガには、まだ伸びしろも十分に残されているという。

 果たして、オルテガは課題を克服して超一流のGKになっていくのか。要注目だ。

(第4回につづく)


【profile】
南雄太(みなみ・ゆうた)
1979年9月30日生まれ、東京都杉並区出身。静岡学園時代に高校選手権で優勝し、1998年に柏レイソルへ加入。柏の守護神として長年ゴールを守り続け、2010年以降はロアッソ熊本→横浜FC→大宮アルディージャと渡り歩いて2023年に現役を引退。1997年と1999年のワールドユースに出場し、2001年にはA代表にも選出。現在は解説業のかたわら、横浜FCのサッカースクールや流通経済大柏高、FCグラシオン東葛でGKコーチを務めている。ポジション=GK。身長185cm。

著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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