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【Jリーグ】FC町田ゼルビアに何が起きた? 前半戦の不振を乗り越え、5連勝中。今季も優勝戦線へ

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

FC町田ゼルビアの2025 前編

 昨季J1の「台風の目」となる戦いぶりだったFC町田ゼルビアの今季は、失点も多く連敗もあって順位を落とし、とてもおとなしいものだった。しかし、ここにきて5連勝と復活。リーグ再開前に一気に優勝争いに加わっている。今季のここまでをチームに密着して取材しているライターがレポート。

【目標はタイトルとリーグ5位以内】

 昨季、J1初参戦ながら3位と大躍進を果たしたFC町田ゼルビア。2年目を迎えるにあたり、西村拓真や岡村大八、菊池流帆、前寛之など、油の乗った実力者を加えた大型補強を敢行し、厚みのある戦力を整えた。

FC町田ゼルビアは今季24試合を終えて、首位と勝ち点6差の6位にいる photo by Getty ImagesFC町田ゼルビアは今季24試合を終えて、首位と勝ち点6差の6位にいる photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る チームを率いる黒田剛監督は「タイトル」 と「リーグ5位以内」 というふたつを目標に掲げ、シーズンをスタート。そんな町田の2年目の挑戦に注目したのは、町田サポーターだけではないだろう。

 開幕戦は昨季優勝争いを演じたサンフレッチェ広島と注目の一戦。前半に幸先よく先制しながら岡村、菊池のセンターバックふたりを負傷で失うアクシデントで1-2と逆転負けを喫した。それでも黒田監督は、前半の内容に大きな手応えをつかんでいた。

「前半はほぼパーフェクトに近いぐらい広島を圧倒し、ほぼ我々の狙いどおりの展開だった」

 しかし、一転して0-1で敗れた第3節の東京ヴェルディ戦では、スコア以上に内容で圧倒される。不甲斐ない試合に、黒田監督は記者会見で次のように述べた。

「戦術とか、システムとか言う前に、もっと戦う姿勢を含め、町田本来の持ち味、または意図するものが発揮されなかった」

 今季、新たに取り組むボール保持を意識するあまり、本来の縦に鋭い攻撃、強度の高い守備、泥臭くも全員で戦うスタイルが疎かになっていた。町田が目指すのは、スタイルの変更ではなく進化である。

 昨季のロングボール一辺倒から、ボールを保持することも選択肢に入れ、その上で相手の出方を見て素早く攻めるのか。またはボールを握って引き込み、裏返すのか。あるいは敵陣に押し込み、左右の揺さぶりから崩すのか。これは、その選択肢を構築する過程での産みの苦しみと言えた。

 ただ、開幕以降は黒星が先行したが、東京V戦を教訓にすると、第4節の名古屋グランパス戦から3連勝。第9節・川崎フロンターレ戦で引き分けると、5勝2分2敗で勝ち点17を積み上げ、暫定ながら町田は初めて首位に浮上した。

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著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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