【Jリーグ】FC町田ゼルビアに何が起きた? 前半戦の不振を乗り越え、5連勝中。今季も優勝戦線へ (4ページ目)
【勝利の方程式が戻る】
後期スタート前の天皇杯2回戦で、京都産業大学に2-1の逆転勝利を収めると、第20節・湘南戦、第21節・鹿島戦と前期負けた相手に連勝。とくにホームで首位の鹿島に勝ったことは、チームに自信と勢いをもたらす結果となった。
続く新潟アルビレックス戦(4-0)、清水戦(3-0)に大勝し、天皇杯3回戦カターレ富山戦にも東アジアE-1サッカー選手権で代表組4人を欠きながら2-1で勝利。第24節東京V戦に1-0で競り勝つと、町田はリーグ5連勝、公式戦7連勝を達成した。
「町田の勝ち方、強さというものをやっと表現できるようになってきた。勝ち続けるためにはどういう戦いをしなきゃならないのか。それを体で覚え、対応できるようになってきたことが大きな収穫」
東京V戦の記者会見で、黒田監督は紙一重の試合をそう評価した。相手に多くの時間で押し込まれ、運にも助けられながら失点ゼロで耐え、ロングスローからワンチャンスを決めて勝ちきった。
まさに「失点をゼロで抑え、少ないチャンスをものにする」という黒田監督が就任当初からコンセプトとしてきた町田の勝ち方、勝利の方程式である。3試合連続のクリーンシート達成は、町田の復調を象徴していた。
一時は15ポイントあった首位との勝ち点差も6ポイントまで縮まり、順位も10位から6位まで上昇。町田はようやく首位の背中が見えるところまで這い上がり、優勝争いの一角に名乗りを挙げた。
著者プロフィール
篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)
1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。
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