【Jリーグ】FC町田ゼルビアに何が起きた? 前半戦の不振を乗り越え、5連勝中。今季も優勝戦線へ (2ページ目)
【6戦5敗...競り負ける試合が続く】
序盤につまずきながらも、町田はようやくリズムをつかみつつあると思われた。
しかし、歯車が狂い始めたのが第10節・浦和レッズ戦。0-2で敗れると、そこから黒田監督体制になって初の3連敗を喫する。第13節・セレッソ大阪戦(2-1)は5試合ぶりに白星を挙げたが、第14節・鹿島アントラーズ戦から再び連敗。第16節・清水エスパルス戦(2-2)では終了間際に失点し、白星が目前ですり抜けていった。
町田は第9節から8試合連続で失点(計12失点)を許した。ただ、必ずしも守備組織が崩壊していたわけではない。90分の間に1、2度ある一瞬の隙や自分たちのミスからワンチャンスを決められ、競り負ける試合が続いた。
昨季までであれば最少失点、最多クリーンシートを誇った粘り強い堅守、1度しか連敗を許さなかった勝負強さ、高い決定力によって、そんな試合を勝ち、あるいは引き分けにできた。それが今季は黒星に振れていた。
「プロとして、J1としての洗礼を受けている。負けることにまだ慣れていない。そこに合わせることに必死な自分もいる。プロでは"負けることもある"ということに慣れていかなきゃダメだと思っている」
青森山田高校で常勝チームを築き、町田の監督就任1年目でJ2優勝、昨季は3位。常に勝ち先行でやってきた黒田監督には、6試合で5敗もする経験がない。第15節の京都サンガF.C.戦に負けたあと、黒田監督は突きつけられた現実を受け止めようと必死だった。
この時期、第9節・川崎戦の当日に、週刊誌で黒田監督のパワハラ疑惑が報じられた。それから黒田監督は「どこで何を書かれるかわからない」として約1カ月間、練習での熱い指導を自重していた。
それがちょうど3連敗の時期と重なり、選手たちは「監督にはもっといつものように厳しく指導、指摘してもらわないと困る」と声が上がっていた。本来なら連敗するチームを厳しい指導で締めることが必要だったが、それができずにリズムが狂った側面も少なからずあった。
第17節では首位の柏レイソルにホームで3-0と大勝を収め、第18節・ファジアーノ岡山戦では2点先行されながら引き分けに持ち込んだ。第19節・横浜F・マリノス戦では枠内シュート4本で3失点し、0-3の大敗。復調の兆しが見えぬまま、町田は10位で前期を折り返した。
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