サッカー日本代表招集の可能性も 佐野海舟、チェイス・アンリらがドイツで進化している

  • 林遼平●取材・文 text by Hayashi Ryohei

ブンデスリーガ日本人選手レポート 後編

ブンデスリーガで活躍する日本人選手の模様を、現地ドイツで取材を重ねるライターの林遼平氏が詳報。進境著しい佐野海舟やチェイス・アンリらのプレーぶりをレポートする。

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【チームに馴染み確かな成長】

佐野海舟(マインツ/MF)

 佐野海舟選手はすばらしい活躍を続けています。開幕戦の時は、まだJリーグとブンデスリーガの違いに戸惑っているみたいな話もありましたけど、試合をこなすごとにチームに馴染んでいて、ブンデスリーガでの戦いにも馴染んできた印象です。

 10月に対戦した板倉選手や堂安選手は「佐野選手はマインツに合っている」という話をしていました。これはマインツがすごく陣形をコンパクトにした守備をしていて、奪ってから前に出ていこうみたいなところがあり、その奪いどころとして佐野選手がすごく生きているのが大きいんです。佐野選手がボールを奪ってから攻撃が始まる場面も多くて、彼のボール奪取は今のチームの見どころのひとつと言っていいと思います。

 あとは本人が言うように「奪ったあとにボールを保持するのか、前に出ていくのかをしっかり判断しないといけない」ところですね。もう少しボールに関わって、前線で結果につながるようなプレーをしたいという話もしていて、そこがひとつポイントになるかなと。マインツとしてももう少し得点を増やしていきたい面もあるので、そこが今後改善されてくれば、より存在感が増してくるんじゃないかなと思います。

 第10節のドルトムント戦は、非常にいいプレーをしていました。相手に退場者が出たこともありますが、この試合はすごく前への意識が高くて、前にボールをつけるプレーだったり、ロングボールで得点の起点になるパスを出したりと、攻撃面での関わりがすごく多かった。現地の評価も「2.5」と高評価でした。

 最近では現地メディアが「次のステップに進んだと言わざるを得ない。無駄な走りが少なく、その結果、よりうまくデュエルに入るボールにダッシュできるようになっている。ボールを奪ったあとも、より広い視野を持っていいプレーにつなげている」と評価していますし、確かな成長を感じます。

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著者プロフィール

  • 林遼平

    林遼平 (はやし・りょうへい)

    1987年生まれ。埼玉県出身。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることに。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして各社スポーツ媒体などに寄稿している。2023年5月からドイツ生活を開始。

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