「久保建英のベンチスタートに意味はない」とスペイン人記者 レアル・ソシエダがやるべきことは? (3ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【久保がボールを支配するのが重要】

 決定機を生み出すためには久保にボールを渡す必要がある。そしてミケル・オヤルサバルとアンデル・バレネチェアが彼と一緒に前線でプレーすべきだと私は思っている。彼らは昨季のチャンピオンズリーグでラ・レアルをグループリーグ首位に導いた選手たちであり、今季のチームにおいても最も傑出したトリデンテ(三又の矛。3トップを指す)を形成できる。

 この3人を擁した昨季はゴールに事欠かなかった。その理由は、彼らがラ・レアルの攻撃にスピード、コンビネーション、イマジネーションをもたらしたからだ。それが成功の秘訣であった。そのため、今季もただそれを繰り返すだけでいいのだ。

 大切なのはより多くのシュートではなく、ラストパスを正確に出して決定機をうまく演出し、すべてのチャンスを最大限に生かすこと。それが実現できれば相手守備陣は久保たちをもっと警戒するようになるため、ペナルティーエリア外からのミドルシュートに優れたほかの選手たちへのマークが甘くなり、より多くのシュートチャンスが訪れる。

 それはまた、圧倒的な力を持つバルセロナをレアレ・アレーナで迎え打つ、次節の解決策になり得るかもしれない。

 今のバルセロナは、決定機を逃せば非常に高い代償を払わされるチームだ。ラ・レアルは手にする少ないチャンスを生かさなければ確実に負けることになる。アウェーの地といえどもバルサは決して手加減してはくれない。ラ・レアルにもチャンスは回ってくるだろう。しかし、それをものにできなければ逆に失点を喫してしまう。

 勝利のカギは効果的にプレーすることだ。そしてラ・レアルが大きく開いたウインガーを両サイドに配して戦うゲームプランにおいて、久保が自由に動き回り、ボールをできる限り支配するのが重要となる。

 また、ラ・レアルはラ・リーガ屈指の敵陣でのボールリカバリー数の多いチームでもあるため、その際に緊張感と犠牲心を維持できれば、バルサが快適に走って攻撃するのを阻止できるはずだ。

 バルサを止めるために敵陣で激しくプレスをかけ続けるリスクを冒すことになるが、勇気がなければハンジ・フリック監督率いる勢いがあるチームには勝てない。

 でも心配ない。今のラ・レアルには集中力が高まっている久保がいる。そして我々は"Si Kubo gol, no problem.(久保がゴール決めれば問題なし)"ということを知っている。

(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)

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著者プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

【画像】レアル・ソシエダのフォーメーションほか 欧州サッカー今季注目16クラブの主要布陣

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