ユーロ2024で「完全優勝」 スペインは「ボールを前に運ぶ仕組み」で圧倒的に上回っていた (3ページ目)
その結果、3試合連続得点のオルモという「タリスマン(スペイン語で護符、魔よけ)」も"降臨"した。彼がいれば負けない。そうなった集団は、信じられない力を手にする。おかげでジョージアやフランスに先制されても簡単にひっくり返し、ドイツ、イングランドに追いつかれても引き離すことができた。まさに、王者のサッカーだった。
「我々こそが、ヨーロッパの王だ!」
スペイン大手スポーツ紙『マルカ』の見出しには、少しの誇張もない。
ユーロ2012以来、12年ぶり4度目の優勝。スペインは単独で最多のユーロ優勝回数を誇ることになった。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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