久保建英、「常に1対複数」を突破できるか 月間MVP獲得も厳しいマークの洗礼 (3ページ目)
【「このリズムを続けるのは簡単ではない」】
久保は本来、ひらめきと俊敏性とコンビネーションが武器の選手である。ダビド・シルバの引退、アレクサンダー・セルロートの移籍、右サイドバックの変更などでコンビネーション面の質は落ちたが、彼は個人のパワーを使って、エースとして勝利の道を切り開いてきた。しかし肉体的消耗は積み重なっており、同じパワーを維持するのは難しい。
久保はラ・リーガで、9月の月間MVPを受賞している。ラ・リーガ2位の5得点だけでなく、チームを力強く引っ張った。ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)、アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)など錚々たる名手たちを上回っているわけだ。だが......。
「このリズムでのプレーを続けるのは簡単ではない」
これも関係者が口をそろえていた言葉だ。
チームの胸スポンサーには、日本企業「ヤスダグループ」がついた。これも、"久保効果"のひとつと言えるだろう。スポーツによる人材育成やマーケティングと日本国内でアカデミー業務を行なうことに興味を持つクラブとの戦略的パートナーシップだという。
ラ・レアルが新時代に向かうなか、久保は過去、現在、未来を結びつける象徴なのだろう。
この後、久保は日本に戻って13日にカナダ、17日にチュニジアとの代表戦を控える。その後はスペインに戻って、休む間もなく21日に古巣マジョルカ戦。24日にはCLでベンフィカとグループリーグ攻防を巡って負けられない敵地戦に挑む。
久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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