上田綺世が感じた日本とベルギーのサッカー文化の大きな違い「ボールを持つことが絶対にいいとされているわけではない」 (3ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 世界で通用しなかった部分もあるんですけど、出場時間も勝ち取ることができなかった。周りからは『もう1試合出ていたら(結果は違っていた)』とは言ってもらえるんですが......。

 たしかにあのコスタリカ戦で90分(出続けたら)とか、次の試合も出してもらえていたら、という思いもあります。だけど、それはあくまで自分で勝ち取るものなので。

 その軌道修正も含めて、やっぱり.........ワールドカップはめちゃくちゃシビアな大会なんだなと。試合に使われないのはどの国でも起きている当たり前のことですので、チームのなかで自分の需要を生み出せなかったという悔しい思いはすごくあります」

── ワールドカップ後、森保一監督の続投が決まりました。上田選手にとって、それはどうプラスに働くでしょうか?

「正直、僕はあんまり変わらないのかなと思いますね。これまでいろんな取材を受けた時にも言っているんですが、ワールドカップや日本代表は本当にすばらしい環境で、選手にとって本当に名誉なことなんですけど、僕自身は日本代表に入るためだけにサッカーをやっているわけではないので。

 サッカー人生の一環として(日本代表やワールドカップを)考えているので、それも含めて自分のキャリアについてくるものだと思っています。だから、森保さんが監督でもそうじゃなくても、呼ばれる選手は呼ばれるし、呼ばれなくなる選手は呼ばれなくなる。そこは本当にシビアな世界なので、特にプラスということはないかな......と僕は思っています」

── 3月の代表シリーズで森保監督と何か言葉は交わしましたか?

「いや、ほとんど話してないですね。今の(所属)チームの状況について『どう?』みたいな話はしましたけど、具体的な話はしてないです」

── では、話をベルギーに移します。ブルージュでの生活はどのように過ごしていますか?

「そんなに大きい街ではないですけど、町全体が世界遺産になっているので、旅行客は多いですね。最初は自分も観光をしましたけど、今はたまに買い物に行ったりするくらいですかね」

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