上田綺世が感じた日本とベルギーのサッカー文化の大きな違い「ボールを持つことが絶対にいいとされているわけではない」

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

上田綺世(サークル・ブルージュ)インタビュー前編

 2022-23シーズン、上田綺世の新たな挑戦が始まった──。

 プロ入りから3年間在籍した鹿島アントラーズを離れて海を渡り、ベルギーという新天地に足を踏み入れた。挑戦はそれだけにとどまらず、日の丸を背負ってカタールへと飛び、ワールドカップの舞台にも立った。

 ストライカーとして生きてきた自分が、ヨーロッパでこの先、どのようなキャリアを築いていくのか......。自らの状況を冷静に見極める慧眼の持ち主であることは、彼が発する言葉の端々に感じられた。

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新生森保ジャパンにも招集された上田綺世新生森保ジャパンにも招集された上田綺世この記事に関連する写真を見る── まずは3月の代表戦、お疲れさまでした。ウルグアイやコロンビアといった骨のある相手でしたが、手ごたえはいかがでしたか?

「手ごたえはありました。悪くなかったと思います。自分の武器だったり、自分らしさはある程度、出すことができたんじゃないかなと。

 何をもってそうかと言えば、海外に来る前の代表での活動(との比較)とか、ウルグアイやコロンビアという相手に対する実感として、強度だったりプレースピードなど、やっぱり以前よりもやれたんじゃないかなと思いますので」

── 今回の代表活動では、上田選手と同年代の選手が中心となりました。年齢の近い選手が多いことで、何か特別な意識が出てきたりしますか?

「特にはないですね。自分も年を取ったなぁというか、中堅になったなぁという自覚はあります。今までは(チームのなかで)自分が若いとされてきたので、それがもう、今は若くない。主軸として動いていく年になってきたなという自覚はありますね」

── 同年代でよく会話をする選手は誰ですか?

「(三笘)薫くんとか、(3月の代表戦では)呼ばれてなかったですけど相馬(勇紀)くんとか、あとはキーパーの大迫(敬介)とか、伊藤洋輝とか......そのあたりですかね。(話す内容はお互いの)近況報告みたいな」

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