【欧州サッカー】ルイス・スアレスは単なるトラブルメーカーではない 噛みつかれた相手も実力を認めた
世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第55回】ルイス・スアレス(ウルグアイ)
サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。
第55回は「ウルグアイ最高のFW」ルイス・スアレスを取り上げる。39歳になった今も現役。2005年にデビューしてから20年、彼はずっとゴールを決め続けている。「噛みつき」のマイナスイメージに引っ張られがちだが、21世紀を代表するストライカーなのは間違いない。
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ルイス・スアレス/1987年1月24日生まれ、ウルグアイ・サルト出身 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る「噛みつき」といえば、筆者の世代ではプロレスラーのフレッド・ブラッシーである。テレビ観戦中の老人がブラッシーの反則技で大量出血した力道山の姿を見てショック死するという、今もなお語り継がれる事件があった(1962年)。
ボクシングではマイク・タイソン。クリンチの際にイベンダー・ホリフィールドの耳を食いちぎった(1997年)。当然、タイソンは反則負けを宣告され、罰金処分も科されている。
さて、フットボールの世界からは、ウルグアイ代表FWルイス・スアレスの登場だ。リバプールに所属していた2013年にはチェルシーのブラニスラヴ・イヴァノヴィッチに、ウルグアイ代表では2014年にイタリア代表のジョルジョ・キエッリーニに噛みついている。
いったい、どのような感覚、精神構造をしているのだろう。
また、マンチェスター・ユナイテッドのパトリス・エヴラに差別的なコメントを発するなど、スアレスには常にマイナスイメージがついてまわった。
ただ、単なるトラブルメイカーではない。ペナルティボックス内における狡猾な動き、硬軟自在のシュート力などで、エールディビジ(オランダ)、プレミアリーグ、ラ・リーガそれぞれにおいて得点王を獲得している、紛れもなく、ワールドクラスのストライカーだ。
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著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。
























