バイエルンは新戦術「ペナ幅攻撃」でCL優勝なるか パリ・サンジェルマン戦で怖いのはエムバペのカウンター

  • 西部謙司●文 Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

【パリSG戦も優勢だがカウンターが怖い】

 第2レグもバイエルン優勢の流れになると予想できる。パリSGのFWが守らないので、バイエルンのセンターバックはフリーで攻撃の起点になれて、しかも後追いもないので難なく相手陣内へ入っていけるからだ。メッシ、ネイマール、キリアン・エムバペのうち2トップの組み合わせがどうなっても、あるいは3トップならなおさら、バイエルンがボールを握って前進するのに障害がない。

 問題は、エムバペがいると裏のスペースを使われる危険があること。下がって足下でパスを受けるメッシ、ネイマールとの違いだ。第1レグではエムバペの登場とともにパリSGに盛り返された。エムバペに裏を取られるのが怖いのでDFが下がる。そうするとDFとMFの間隔が広がるので、メッシとネイマールがプレーしやすくなっていた。

 バイエルンはボールを支配できるし、押し込める。しかし、エムバペがいるとなると逆襲が怖い。エムバペがいることでメッシやネイマールも威力が増す。この3人が揃った時に止めるのは、バイエルンといえども簡単ではない。押し込むバイエルンが得点をとれるかどうかが試合の行方を決めそうだ。それに手間取るとパリSGに囲みを破られ、脅威のカウンターを食らいかねない。

 シュポ=モティングの1トップの下にはムシアラ、ミュラー、コマン、セルジュ・ニャブリ、レロイ・サネと豪華なアタッカーを揃えている。ワイドアタッカーにも俊足のデイビス、マンチェスター・シティから獲得したジョアン・カンセロがいる。ダヨ・ウパメカノを中心とした守備も強力。

 ブンデスリーガでは圧倒的な戦力であり、CLでも優勝候補だが、ペナ幅に限定した攻撃のメリットを生かしきれていないのが気がかりなところで、自ら作った枠のなかで不自由になってしまうのが懸念材料だ。

 そこに回答を見出せば、7回目の優勝に一気に近づくのではないか。

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プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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