バルセロナ・ラフィーニャのチャンスを演出する動きが秀逸。セビージャの守備を崩したシーンに注目 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer 
後ろへ戻ってから前への動きで裏へ抜け出し、縦パスを受けてクロスをガビに合わせる

 ラフィーニャのオフ・ザ・ボールの駆け引きに注目したい場面である。

一度下がって相手を釣り出し、反転して前へ抜ける動きでクンデからの縦パスを受ける一度下がって相手を釣り出し、反転して前へ抜ける動きでクンデからの縦パスを受けるこの記事に関連する写真を見る アラウホから縦パスを受けるケシエに対して、セビージャは左CBのグデリが出てプレスにいった。ケシエはコントロールして、右サイドバックのジュール・クンデにボールを落とす。

 その際、前線のラフィーニャは一度サイドへと開いてから下がってボールをもらう動きをした。そしてクンデのルックアップの瞬間に、グデリが空けた内側のスペースから前へ走り込み、裏へのパスを呼び込んだ。

 一度サイドに開いてマークのカリム・レキクを釣り出すことで、グデリの空けたスペースをより大きくしている。

 ラフィーニャの動きに対して、セビージャはレキクがマークを外され、中央のジョアン・ジョルダンもカバーが遅れた。そこにクンデの絶妙なロングフィードがラインの裏に落ち、ラフィーニャは完全に抜け出すことに成功。

 ペナルティーエリアまで進入したラフィーニャはライン際で切り返し、最後は逆サイドに走り込んだガビにグラウンダーのクロスを通して2点目となった。

 ラフィーニャはこのあとにチームの3点目を決め、1ゴール1アシストの活躍。ウスマン・デンベレの負傷離脱で、バルセロナはサイドの突破力に物足りなさを感じるものの、動きの質でセビージャの守備を見事に崩した場面だった。

◆【動画】ラ・リーガ第20節 バルセロナvsセビージャ ハイライト
(バルセロナ2点目のシーンは、3分45秒~4分58秒)

著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

◆【画像】バルセロナほか、2022-23シーズン 欧州サッカー注目クラブ 最新フォーメーション

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