カタールW杯「チケット」異聞。チケットが最も売れている意外な国はどこ&日本は何位? (3ページ目)
トップ10入りしたインド。日本は?
次にチケットを多く買っているのが、実はアルゼンチンとメキシコだ。
この2カ国は代表チームへの愛が半端ないことで有名だ。一方でブラジルは、ここ最近、代表選手のほとんどが若いうちからヨーロッパに出てしまっていることもあり、以前に比べるとセレソン人気が落ちている。しかし、アルゼンチンとメキシコに限ってはそんなことはない。彼らにとっては代表=祖国なのだ。
特にアルゼンチンは、やはりリオネル・メッシの最後のW杯となる可能性が高いとあって、注目度はかなり高い。何度もヨーロッパ最高のプレーヤーとなり、クラブチームでも多くの優勝を手にしてきたメッシだが、代表チームで世界のトップに立ったことがない。アルゼンチン人なら(アルゼンチン人でなくとも)、誰もがその最後の雄姿を見たいと思うだろう。
メキシコはW杯優勝経験こそないが、サッカーに対して、それは熱い国だ。過去、南米とヨーロッパを除いた国のなかでは最多の16大会に出場し、自国でも2度W杯を開催している。それだけにこの大会にかける思いも強く、毎回チケット販売のトップランキングにその名を見せる。舞台が遠い中東に移ってもその熱さは変わらないようだ。
チケットの売れ行き順の4位以下はアメリカ、イングランド、ブラジル、ドイツ、フランス、目新しいところではUAEなどと続くが、ドイツやフランス、ブラジルなどの常連国は、ふだんに比べると出足が少し鈍いようだ。
ちなみに、W杯に自国が参加しないのに、チケットの売れ行きがいいのがインドだ(UAEも非出場国だが、地理的にカタールに非常に近いからだろう)。8月の時点で、インドでは2万3500枚のチケットが売れていて、開催国を含めたトップ10に入っている。
インドの航空会社エア・インディアは、W杯期間中、インドの主要都市からカタールへのフライトを、新たに週20便追加すると発表している。実はインドは2018年のW杯でも2万人近くがロシアに観戦に行っており、非出場国としてはアメリカ、中国に次いで3番目の多さだった(今回、中国人サポーターは国のゼロコロナ政策もあって数が少ないようだ)。ただ、インド人は世界のサッカーには熱狂しているが、自国のサッカーにはあまり興味がないようで、インド代表チームのキャプテンはSNSで「W杯もいいが、アジアカップの予選も見に来てほしい」と呼び掛けている。
逆に、いまやW杯出場常連国となった日本での売れ行きは、8月末時点で19位と低迷している。
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