カタールW杯「チケット」異聞。チケットが最も売れている意外な国はどこ&日本は何位? (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

すでに売り切れた4試合

 最後に、試合別の人気も見てみよう。11月20日に行なわれるカタール対エクアドルの開幕戦、準決勝と決勝の4試合はすでに売り切れだ。決勝戦が行なわれる12月18日はカタールの建国記念日にも当たるとあって、試合はビッグイベントとなるはずだ。FIFAによるとこの試合のチケットには300万人からのリクエストがあったようで、まさにプラチナチケットだ。

 これら4試合のほかに、ほぼ売り切れに近いカードがいくつかある。

 まずはアルゼンチン対メキシコ戦。この試合はグループステージの試合のなかで最も人気があったようだ。チケット購入ランク上位の国同士の対決はやはり強力だ。メキシコのアルゼンチンに対するライバル意識も強い。隣のサッカー大国サウジアラビアとアルゼンチンの対決もその次に人気を誇っている。この2試合に関しては、すでに完売したという情報もある。アルゼンチン、メキシコ、サウジアラビアの3チームが同組に入ったグループCの試合は、相対的に人気が高い。

 その他で人気が高いのはグループBのイングランド対アメリカ。イングランドは前回のヨーロッパ選手権の決勝で敗れただけに、今大会への期待度が高い。一方、アメリカでは最近、サッカー人気が高まっている。米英対決というある種ライバル国同士のカードに注目が集まったのだろう。

 ブラジルの試合もすべて人気が高い。FIFAランキング1位であり、ネイマール、ガブリエル・ジェズス、ラフィーニャ、ヴィニシウス・ジュニオールなどスターが揃ったセレソンの試合の切符は、ブラジル人以外も購入しているようだ。なかでも一番売れ行きがいいのはセルビア戦だという。

 ポルトガルの試合もまた人気だ。メッシ同様、クリスティアーノ・ロナウドにとっても最後のW杯となるのはほぼ確実で、代表のユニホームを着て戦う彼を見ておきたいファンは多いはず。ガーナ戦はほぼ完売状態なようだ。

 もちろん、まだ余裕がある試合も数多くある。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長によると、チケットは「まだ50万枚以上、入手可能」とのことだ。

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