メッシは1シーズンでパリ・サンジェルマンを去る? その理由と考えられる移籍先 (2ページ目)
監督やSDとの間に不穏な空気
メッシの落胆の理由はいくつかあるようだが、チームメイトとは何のわだかまりもない。元々、彼は同じくフットボールを生業とする仲間とは、どのチームでも打ち解けてきた。
PSGにはアンヘル・ディ・マリアやレアンドロ・パレデスという代表の同僚がおり、ネイマールはバルセロナ時代からの友人だ。キリアン・エムバペとも互いに敬意を払い合い、かつては宿敵同志だった元レアル・マドリードのセルヒオ・ラモスとも今では親密な関係を築いているという。
だが、マウリシオ・ポチェッティーノ監督との間には、不穏な空気が流れている。その理由は、この指揮官の保守的な采配と戦い方にあるようだ。メッシとポチェッティーノは、どちらもアルゼンチンのサンタフェ州出身で、ユース時代にニューウェルス・オールドボーイズで育成された点も共通する。
そんなふたりについて、当初はうまくやっていくだろうと見る向きが大半だったが、ポチェッティーノ監督は最前線にエムバペを重用し、メッシ(ネイマールやディ・マリアも)はそのサポート役に甘んじている。
クラブのスポーツディレクターのレオナルドとも反目していると、漏れ聞こえてくる。PSGの関係筋によると、元ブラジル代表のレオナルドは、メッシがクラブよりもアルゼンチン代表を重要視していることに不満を覚えているという。メッシの契約には「代表に招集されたら、必ず参加する」、また「代表の医師団はいつでもメッシを診察することができる」と明記されているそうだ。
ただし、ナセル・アル・ケライフィ会長やオーナーのカタール人たちは、今でもメッシを信じているようだ。だからこそ、指揮官もメッシがプレーできる時は、ほぼ全試合で先発させているのだろう。
以前、昨季途中までPSGを率いていたトーマス・トゥヘル監督(現チェルシー)は、「PSGでは、自分はスポーツ省の大臣のようだった」と語っている。カタールの首長たちに買収され、スター選手を次々に獲得して欧州制覇を狙っているクラブだ。そこには複雑なパワーバランスがあり、監督も選手も、フットボール以外に気を取られることが多いのだろう。
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