メッシは1シーズンでパリ・サンジェルマンを去る? その理由と考えられる移籍先
サポーターから大ブーイング
パリ・サンジェルマン(PSG)とリオネル・メッシの蜜月は、半年ほどで終焉を迎えてしまったのだろうか──。
現在34歳のスーパースターが華の都に降り立った時、ファンは盛大に歓迎し、昨年8月29日のスタッド・ランス戦とのデビュー戦でも熱狂的な声援を送っていた。
ホームのボルドー戦でブーイングを浴びたメッシ photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る ところが先週末、3月13日のボルドー戦では、このアルゼンチン代表が球を持つたびに、ホームのPSGサポーターは大きなブーイングを浴びせた。
自分を支えてくれるはずの観衆から、これほどまでに敵愾心を向けられるのは、メッシにとっても初めてだろう。少年時代に母国からスペインに渡った彼は、アルゼンチン国民の信頼を得るまでに時間を要したが、ここまで敵意を示されたことはなかった。
むろん、パリのサポーターの不満は理解できる。ボルドー戦の4日前には、チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16で、レアル・マドリードに劇的な逆転負けを喫した(第1戦1-0、第2戦1-3)。
PSGはここ10シーズン連続でCL本大会に出場しているが、過去2シーズン以外、準々決勝敗退が4度、16強止まりもこれで4度目だ。2019年にはマンチェスター・ユナイテッドに、2017年にはバルセロナに、同じくラウンド16で屈辱的な大逆転負け。
一昨季に初めて決勝に進出し、昨季にベスト4で涙を呑んだチームは、そこを乗り越えるために、地球上でもっとも有名なフットボーラーを招いたのだ。大いなる期待──幻想とは言わずとも──を裏切られた今、最大で6000万ユーロ(約77億円)の年俸を約束された背番号30に、ファンがフラストレーションをぶつけても不思議ではない。
当然、メッシもネガティブな感情を抱えている。2試合トータル2得点のリードをひっくり返されてしまったレアル・マドリード戦の最後の30分は、彼だけが引き起こしたものではない。同胞のレジェンドで現在は優れたコメンテーターとして定評のあるホルヘ・バルダーノ氏は、その試合について次のように語っている。
「PSGが抱えている問題は、メッシに解決できるものではなさそうだ。むしろ彼は、自らピッチ上の責任を負おうとしていたように見えた」
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