福田正博が納得。ハーランドを見れば
ゲットゴールの法則がわかる (3ページ目)
パスの出し手というのは、視線を上げた瞬間に受け手が動き出したり、走っているとパスを合わせやすい。だが、受け手が止まっている状態から動こうとしても、これになかなか合わせられないものなのだ。だから、パスの出し手が頭を上げて視線を確保したタイミングで、受け手が動き出したり、手でボールの欲しい場所をアクションすることが大切になる。
これを実践するには、普段の練習から味方を観察してクセを把握し、「こう動いたら、ここにパスをほしい」といった、コミュニケーションを重ねることに優る道はない。特別な近道はないだけに、ハーランドも練習から連係力を高める努力をしているはずだ。
もうひとつ、ハーランドの見逃せない特長は、クサビのパスを受ける技術の高さだ。
足元に入ったボールをワンタッチで味方に落とす。ドルトムントではサイドにいる味方に正確に送れるので、相手DFの意識がサイドへと移り、その間にゴール前へと入って動き出しで主導権を握れている。
このポストプレーの技術の高さは、FWが評価されるために不可欠な要素だ。これは体が大きいからうまくできるというわけではない。日本人選手と体格的にほとんど変わらない175cmのビジャも、クサビのパスを受けるのがうまかった。
それはヨーロッパでは子どもの頃から、縦方向へ攻める意識が高いことに起因しているのだろう。
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