再開したブンデスリーガをファンはどう見たか。「花火でなく、火花」 (5ページ目)

  • 龍フェルケル●文、撮影 text&photo by Ryu Voelkel

 試合後、スタンドから聞こえる津波のように何層にも重なる拍手の音ではなく、乾いた音にエコーを効かせて中継は終わった。

 サッカーファンにとって、今回のブンデスリーガ再開は嬉しかっただろう。しかし、これが本当にプロサッカーの試合なのだろうか。そう聞かれたら、私は即座に否定する。プロサッカーはエンターテインメントであり、プロサッカー選手はエンターテイナーだ。「楽しませる対象=観客」がスタジアムにいなければ、ただサッカーのうまい人間が集まって、ひたすらボールを蹴り、走っているだけだ。そこには、見る者の心を動かす感情が極端に薄められている。

 これから数カ月、これが日常になると思うと、悲しい感情がふつふつとこみ上げてきた。

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