再開したブンデスリーガをファンはどう見たか。「花火でなく、火花」 (4ページ目)
DFLは試合前、選手、審判、スタッフがなるべく接触行為をしないように働きかけていた。たとえば、ゴール後のセレブレーションを肘や足で行なうということだ。しかし、ホッフェンハイム戦でヘルタ・ベルリンが3点目を決めると、選手たちは普段と同じように重なり合って祝っていた。やはり本能は制御できないのだろう。
なかには、義務であるマスク着用を怠っている監督もいた。DFLが試合前に提示した義務行為は"ルール"でなはなく、"推奨"だったということだ。
無観客で行なわれた各会場の模様が自動的に切り替わるチャンネルをテレビ観戦していた筆者の友人たちは、ヘルタ・ベルリンが得点を決めると、ハイタッチと声援で喜びを分かち合った。彼らの様子は、コロナ以前のサッカーファンと何も変わらないものだった。
だが一緒に見ていた私は、どうにも腑に落ちなかった。コロナ以前の試合と比べ、明らかに盛り上がりに欠けるからだ。
5月16日の全6試合をテレビ越しに見終えて、残ったのは焦燥感だった。自分がスタジアムにいたら、撮っていたはずであろう写真を撮ることができない。ひたすら試合のハイライトを流すテレビを、ただ眺めているだけだった。
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