再開したブンデスリーガをファンはどう見たか。「花火でなく、火花」 (2ページ目)
一緒に試合を見ていて、まず気づいたのが、プレーする選手たちの声が、まるでピンマイクで拾ったかのように鮮明に聞こえてくることだ。
シャルケのジーン・クレア・トディボが、ドルトムントのアーリング・ブラウト・ハーランドに向かって吐き捨てたトラッシュトーキング(汚い罵り)がはっきり聞こえた。
実際、アウグスブルク対ヴォルフスブルクを撮影したベルント・フェリ氏が、「ハーフタイムにテレビ局のデイレクターから、『あなたのリモートカメラのシャッター音をマイクが拾ってしまっているので、マイクから少し離して置いてくれないか』と頼まれた」と言うように、マイクはスタジアム内の小さな音も拾っていた。
その一方、ドルトムントのマッツ・フンメルスは「声援がないのでチームメイトに指示が届きやすい」と述べていた。
どこのスタジアムも、それくらい静寂に包まれていた。テレビ越しに見ていても、無観客試合ではファンのリアクションが皆無なので、試合にまったく入り込めない。
スタジアムで撮影する際、私は音に対して敏感に反応するように心がけている。自分の見えないところで"何か"が起きていることを、観客のリアクションで気づかされることも多いからだ。
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