3大リーグへの登竜門。昌子源がフランスで成功する条件を考えた (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 とりわけ、トゥールーズは典型的な育成型クラブだけに、チームメイトはほぼフランス語しか話せない若手が多数を占める。簡単な英語でコミュニケーションを図れる国際色が豊かなクラブと違って、ドメスティックな地方クラブではフランス語の習得は必須だ。

 それらを身につけられれば、フィード力を含めた技術の部分では他のライバルより上回っているため、昌子にも十分にチャンスはあるだろう。幸い、現在のトゥールーズはセンターバックの層が厚くないという事情もある。フランスU-20代表経験のある25歳のクリストファー・ジュリアンが軸となっているものの、そのパートナーとして台頭した18歳のジャン=クレア・トディボがクラブからのプロ契約オファーに合意しておらず、イタリアのクラブからの青田買いオファーに心が傾いているからだ。

 もちろん、冬の移籍での加入は難しい部分が多いので、一筋縄ではないかないかもしれない。しかし、ロシアW杯で見せたパフォーマンスからすれば、昌子がトゥールーズでポジションを掴む力を秘めていることは間違いなく、だからこそリーグ・アンのクラブが日本人センターバックの獲得を本格的に検討したのだと思われる。

 この移籍話がどうなるのかは神のみぞ知るだが、将来の日本代表を考えても、昌子のリーグ・アン挑戦に大きな期待をかけずにはいられない。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る