2018.12.03

3大リーグへの登竜門。
昌子源がフランスで成功する条件を考えた

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 ヨーロッパの「冬の移籍マーケット」を前にして、鹿島アントラーズでプレーする昌子源の身辺が騒がしくなってきた。リーグ・アンのトゥールーズから鹿島に正式オファーが届き、移籍を希望する昌子の意志をクラブ側も尊重する意向を示したと、日本の複数メディアが報じているからだ。

アントラーズのACL初優勝にも貢献した昌子源がトゥールーズへ もちろん、まだ移籍が正式発表されたわけではないが、仮に昌子のトゥールーズ入りが決定すれば、マルセイユでプレーする酒井宏樹、ストラスブールに所属する川島永嗣を含め、現在リーグ・アンでプレーする3人目の日本人選手となる。

 ちなみに過去、リーグ・アンに挑戦した日本人選手を挙げると、2003年にモンペリエでプレーした廣山望を皮切りに、2004年に当時リーグ・ドゥ(2部)のル・マンに移籍して翌シーズンからリーグ・アンで足かけ7シーズンにわたって活躍した松井大輔(現・横浜FC)、2005年にフィリップ・トルシエ率いるマルセイユでプレーした中田浩二、高校卒業後の2007年からグルノーブル(当時2部)に入団してリーグ・アンを2シーズン経験した伊藤翔(現・横浜F・マリノス)、2009年から半年間レンヌでプレーした稲本潤一(現・北海道コンサドーレ札幌)らがいる。

 とはいえ、他のヨーロッパの主要リーグと比べると、その数は圧倒的に少ない。1990年代から急速に増え続けた日本人選手の海外挑戦は、イタリアに始まり、ドイツ、オランダ、スペイン、イングランドなどが、その主要舞台になったからだ。

 では、なぜ日本人選手がフランスのクラブに移籍するケースは増えなかったのか? そこには、いくつかの理由が考えられる。

 まず、フランスのクラブ特有の選手獲得方針が挙げられるだろう。

 古くから選手の育成に力を入れてきたフランスでは、フランス人のみならず世界各国から集まった優秀な若手を一流に育て上げ、彼らを資金力のあるクラブに高く売ることで、各クラブの経営が成り立っている。