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【ワールドカップ2026】ブラジルを救ったヴィニシウス 王国復活の立役者となるか

  • text by Sportiva
  • photo by Aflo

【ワールドカップ2026 注目選手】
(9)ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル)

2026年ワールドカップ本大会で、王国ブラジルが2002年大会以来の王座奪還を狙うなか、その中心となる存在がヴィニシウス・ジュニオールである。「未完の大器」と呼ばれた少年は、今や世界最高の決定力とカリスマ性を兼ね備えたブラジルのスターとなった。

ヴィニシウス・ジュニオールphoto by Aflo

成長を続ける世界屈指のドリブラー

ヴィニシウスは、2000年にブラジルのサン・ゴンサロで生まれた。名門フラメンゴの下部組織で育ち、わずか16歳でトップチームデビューを果たすと、その才能を見抜いたレアル・マドリードが、18歳になるのを待って獲得。移籍金は当時の10代としては破格の約4,500万ユーロ(約60億円)にのぼった。

最大の武器は、圧倒的な加速力と緩急自在のドリブル。左サイドを主戦場とし、ディフェンダーを置き去りにするスピードは世界屈指だ。キャリア初期では決定力不足を指摘されることもあったが、レアル・マドリードでの経験を経て、シュート技術と冷静さが飛躍的に向上した。

2023-24シーズンには、レアル・マドリードで公式戦24ゴールを記録。特にチャンピオンズリーグ決勝でのゴールは、彼が大舞台に極めて強い選手であることを証明した。さらには単なるウイングにとどまらず、中央へ切り込んでの得点や、味方とのコンビネーションによるチャンスメイクなど、攻撃の全権を担うまでに成長している。

活躍できなかった前回大会

ヴィニシウスにとって初のワールドカップの舞台は、2022年のカタール大会であった。当時22歳だった彼は、ブラジルの主力として全5試合中4試合に先発出場。1ゴール2アシストを記録するなどポテンシャルは見せたものの、チームを頂点に導くには至らなかった。

準々決勝のクロアチア戦で、ブラジルは延長戦の末にPK戦で敗退。ヴィニシウス自身は後半途中で交代を命じられ、ベンチから敗北を見守る悔しさを味わった。

史上初の屈辱を回避した大活躍

2026年大会に向けた南米予選で、ブラジル代表はかつてない苦境に立たされた。ネイマールの長期離脱や監督交代劇が重なり、予選序盤から中盤にかけて敗戦を喫するなど順位を落とし、まさかの予選落ちが頭をよぎる場面もみられた。

しかし、その危機を救ったのがヴィニシウスである。主力の負傷が相次ぐなか、彼は10番の役割も事実上引き継いだ。徹底的なマークに遭いながらも1対1の局面で強行突破を繰り返し、停滞していた攻撃陣を活性化させた。
特にエクアドル戦やパラグアイ戦など、勝ち点1すら奪うのが困難なアウェーゲームにおいて、彼の個の力が光った。数少ないカウンターのチャンスを確実に決定機へとつなげ、アシストや自らのゴールでチームに勝ち点をもたらした。

その結果、ブラジルは南米予選を突破し、予選5位で本大会への切符を手に入れた。カナリア軍団の攻撃のファーストオプションは、完全にヴィニシウスへとシフトしている。

ブラジルとサッカーの未来のために走り続ける

2026年大会でヴィニシウスにかかる期待は、「ブラジルを24年ぶりの優勝に導く」の一点に絞られる。
これまでブラジル代表はネイマールのチームであった。しかし、25歳(大会期間中に26歳)となるヴィニシウスは、今や欧州最高峰の舞台で経験を積んだ、百戦錬磨のプレーヤーだ。若いタレントが多いセレソンにおいて、精神的な柱とならねばならない。
さらには単なるドリブラーではなく、レアル・マドリードで見せているような極めて高い得点力を示せるかにも注目が集まる。

ピッチ外でも、彼は人種差別に立ち向かう象徴的な存在となっており、その戦う姿勢はブラジル国民のみならず世界中のファンから支持されている。この不屈の精神がチームに一体感をもたらし、逆境を跳ね返すエネルギーとなるだろうか。

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