検索

ロナウドが抜けたレアル・マドリーが不調...最大の不安材料は何か (6ページ目)

  • photo by Getty Images

中山 とくにモウリーニョの時代にその部分が磨かれた印象があります。主力がその時代からプレーし続けているので、そういった継続性によって遺産も受け継がれているということも、マドリーの強さでしょうね。

 あとは、歴代の監督が残してきた遺産の数々を、ロペテギ監督が上手に活用しながら自分流にアレンジをできるかどうかという点でしょう。たとえばラ・リーガ第6節のセビージャ戦で敗戦を喫して以降、アトレティコとのダービー、そしてチャンピオンズリーグのCSKAモスクワ戦と、3試合連続白星なしという状況に陥りましたが、そこにはロペテギ監督の采配が裏目に出てしまったという側面もありました。

 確かに故障者が続出するというアクシデントがあったので仕方ない部分はありますが、そこで何ができるかというのが監督の仕事です。ジダンは批判にさらされる中でもブレずに我が道を歩んで苦境を何度も乗り越えましたが、メディアからのプレッシャーも含めて、ロペテギが同じようにこの苦境を乗り越えられるかどうかは注目だと思います。それができないようだと、ラファ・ベニテス(現ニューカッスル監督)のように意外と短期政権で終わる可能性があるかもしれませんね。

小澤 監督のカリスマ性というのは、選手の求心力を獲得する機能のみならず、対メディアの防波堤としても働きます。ですから、3試合勝利、得点できないとなっただけでマドリー周辺のメディアは"クリシス(危機)"と騒ぎ立てています。

 今回話題には挙げませんでしたが、ティボー・クルトワを獲得してケイロル・ナバスをカップ戦要員に据えたGKの使い分けや、プレシーズンで期待されながらサテライトにあたるレアル・マドリー・カスティージャでプレーさせているヴィニシウスの起用法など、結果が出ない時にロペテギが批判されるための材料は数多くあります。

 CSKAモスクワ戦での欠場者を見ても、やはりロシアW杯での主力の消耗・疲労の影響はシーズン開幕直後から出ていますし、この先のシーズンでもケガ人が多発する危険性はあります。そうしたなか、昨季はまったく出番のなかったダニ・セバージョスのような若手を積極起用して、監督の期待に応えるパフォーマンスを見せる選手も出てきてはいるので、とくに新加入のアルバロ・オドリオソラ、ヴィニシウスあたりには今後期待したいところです。

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る