ロナウドが抜けたレアル・マドリーが不調...最大の不安材料は何か (2ページ目)
倉敷 小澤さん、ジダンという人物は非常に求心力が高くて、選手としても監督としても何もかも持っているタイプでした。戦術以前に、今シーズンは彼のカリスマ性というものがチームから失われていないかという点については、いかがでしょうか?
小澤 そこは大きいと思います。ロペテギは、選手として1試合だけ代表でプレーしたことはありますけど、レアル・マドリー、バルセロナのようなビッグクラブに所属した時は控え(第3)ゴールキーパーとしてプレーするほうが多かった選手です。なので、ジダンほどのカリスマ性はありませんし、まだ監督としてのキャリアもそれほどないですから、選手をいかにコントロールするかがカギになると思います。
たとえばラ・リーガの試合でも、思い切ってマルセロを交代させたり、カリム・ベンゼマを早めにベンチに下げたりして、主力選手になめられないように「俺がボスだぞ」というような選手起用をしています。そういうなかで、結果が出ているうちは問題ないのですが、セビージャ戦(第6節)のような負け方をして結果が出なかった時、求心力はすぐに低下するかもしれないという懸念はあります。ただ、その意味ではロナウドが退団したことによって、監督以上の絶対的存在はいなくなったわけですから、マネジメントはしやすくはなっている状況だと思います。
今シーズンのレアル・マドリーの基本フォーメーション倉敷 現地報道などでは、ドレスルームでの彼の言葉は伝わっていないのではないか? 判断に迷いがあるのでは? またマドリーは難破するのか? と心配され始めていますね。すでにクリシス(スペイン語で危機)との声も聞こえ始めていますが、原因はケガ人が増え始めていることです。これは昨季ジダン監督の時にも起こったアクシデントでしたがロペテギは選手不足をどう乗り切るでしょうか?
ちなみに昨季はガレス・ベイル、ベンゼマ、ダニエル・カルバハル、マルセロ、クロースなど8人が故障していた時期もありました。今はまだましという見方もできるわけですが、ロナウドはもうずっといないままです。小澤さんが指摘されたようにプラスの面がある一方、チャンピオンズリーグでマドリーが記録したゴールの約50%にロナウドが関わっているというデータもあります。ケイロル・ナバスが「ロナウドは高いバーを残していった。太陽を指一本で覆い隠すことは不可能だ」とコメントしましたが、ここは大きな課題ですね。
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