ロナウドが抜けたレアル・マドリーが不調...最大の不安材料は何か (3ページ目)
中山 ストライカーとしては、マリアーノ・ディアスしか獲得してないですしね。
倉敷 新しい背番号7番です。
中山 はい。ですから、そこは昨シーズンまでロナウドの引き立て役に徹していたベンゼマを中心にカバーするしかないでしょうね。おそらく彼ひとりでシーズン二桁ゴールは稼いでくれると思いますが、さすがにロナウドと同じゴール数は望めません。ベイルも故障が多い選手ですし、やはりマリアーノがどれだけゴールを量産できるかという部分が大きくなると思います。
マリアーノについては、昨シーズンはリヨンでリーグアン18ゴールをマークするなど、ポテンシャルは高いと思います。ゴールのかたちもバリエーション豊かですし、古巣に戻ってさらなる成長を遂げれば、二桁以上のゴールも十分に可能でしょう。ただ、ベンゼマもそうですが、ロナウドがいなくなった分をカバーするという風に見てしまうと厳しいと思うので、現有戦力でいかにゴールを量産するかを考えてチーム作りをしたほうが得策と思いますし、それがロペテギ監督の使命でもあると思います。
ロナウドが抜けても豪華な陣容を誇るレアル・マドリー小澤 マドリーの監督の使命ということについては、面白い話があります。これはレアル・マドリーの公式YouTubeチャンネルを見てほしいのですが、その中にキエフで行なわれた昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝のインサイドドキュメンタリー(「In the heart of LA DECIMOTERCERA」)の一部の映像が公開されていて、その時の試合前、ハーフタイム、試合後のロッカールームの模様を見ることができます。それを見て僕が思ったのは、セルヒオ・ラモス、ロナウド、マルセロ、ケイロル・ナバスなど、主力選手はみな監督みたいだったということでした。
たとえば、ロナウドが「今日は絶対勝つぞ。決勝は戦うためではなく、勝つためにあるんだ」みたいなことを言っていて、そこに監督のジダンがフワッと現れて、「我々はすばらしいチームだ。何があっても自分たちのプレーをして楽しもう」と。そういう柔らかな、包み込むような存在がマドリーには監督として求められるのだと思います。「俺が監督だから、この戦術なんだ」というようなタイプの監督は合わないクラブなんだということが、その映像を見てよくわかりました。
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