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川島永嗣、2部降格の「チーム崩壊状態」も
心折れず、35歳のW杯へ (4ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

「こういう形の経験」とは何か――。具体的に答えてもらった。

「フランスに来たこともそう。ベルギーの後、いろんなことがあって、自分が思っているようなキャリアは踏めないのかなとも思った。今までも自分が思っていた選択肢を得て生きてきたわけではない。実際にある選択肢のなかから、自分は成長を求めて選んでやってきた。

 はたして、(挑戦の結果が)自分が求めている通りの形になっているのか正直わかりませんけれど、自分が情熱を持って臨んでいることは形になっていると思う。今のサッカーに対する情熱が、自分の新たな将来の形を作ってくれると考えています」

 かつて川島は、「(マーク・)シュウォーツァーが41歳で初めてCLに出たことが励みになっている」と言ったことがある。愚問を承知で、「まだシュウォーツァーのようにCLを狙ってますか?」と問うてみた。

「やっぱり、高い目標に向かって進んでいくという自分の指針は変わらない。もちろん、年齢のこともありますが、自分のアンビション(野心)はまったく変わりません。ヨーロッパで上を目指してやり続けたいと思っています」

「無我夢中だった」と振り返った2010年のワールドカップ直後にベルギーに来てから8年――。川島にとって3度目のワールドカップが控えている。

「こんなに早く8年が経つとは思ってなかった。世界のなかでどうやって勝っていけるかを指針にして、海外に出てきた。多くの試練があったし、多くの挑戦をすることもできた。それを出せるか、出せないか。短い時間のなかで求められるのが、ワールドカップだと思います」

 国を背負って戦う名誉に恥じないプレーをしたい――。そう川島永嗣はボルドー戦後に誓った。

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